RAW

[#831] 昨夜のゆり戻し、RAWに激震をもたらす

バックラッシュPPVから一夜明けたRAWがコネチカット州ブリッジポートで行なわれた。リリアン・ガルシアのアナウンスでビッキー・ゲレロGMが紹介されると、場内では当然のようにブーイングが上がった。彼女は、自身の夫エッジが新世界ヘビー級王者となったことを喜ぶと、客席からさらなるブーイングが沸き起こった。そして、ゲレロGMはRAWの頂点に立った新WWE王者ランディ・オートンを紹介した。

コーディ・ローズとテッド・デビアスに挟まれてオートンが現れた。ステージに出た3人は、まるで場内のファン全員を敵に回したかのような佇まいを漂わせながら、ふてぶてしく、ゆっくりとランプを下り、そしてリングへと上がった。オートンはたっぷりと時間をとりながら、コーナーに立ち、ベルトを掲げて新王者君臨をアピールした。

オートンはマイクを握ると、マクマホン家は、トリプルHを倒されて悲嘆に暮れているだろうと切り出した。そして、オートンは単にピンフォール勝ちをしたのではなく、トリプルHの頭を蹴りぬいて倒したのだと強調、かねてから公言していた行動を実行に移したと語り、ファンを愚弄するように成功者であることを誇った。

ゲレロGMは、新王者オートンを歓迎、祝福しながらも3週間後に開催されるジャッジメント・デイPPVで最初のタイトル防衛戦が行なわれることを明らかにし、さらに今夜ビッグショーとバティスタによって第1挑戦者が争われることも告げた。オートンは、ファンに対して自身を気に入らなくとも構わないが、オートンを尊敬しなけらばならないと断言、さらにファンのみならず、バックステージに控えるRAW所属スター達もオートンを尊敬、服従しなければトリプルHと同じ結果になると豪語した。

すると、MVPが入場ステージに現れた。現US王者はオートンに敬意を示さないどころか、服従してたまるかと言い切った。デビアスがマイクをとり、MVPに警告を発したが、MVPは軽妙に切り返すと、オートンを王者として認めながらも、自分が移籍してきたブランドはRAWで、この番組はオートンのショーではないと断言した。今度はローズがMVPに警告を発したがオートンが制止、ゲレロGMに耳打ちした。そしてゲレロGMは、MPVのRAW移籍後最初の試合としてオートンとのシングル・マッチを組んだのだった。

Theを忘れるな!

1試合目は、SmackDownより移籍を果たしたジ・ブライアン・ケンドリックがコフィ・キングストンとのシングル・マッチに臨んだ。ケンドリックは、リリアンのアナウンスに対して"The(ジ)をつけろよ"と、いきなり自意識過剰な部分を見せつけた。
続いてコフィが入場、試合開始のゴングが鳴ると、ケンドリックがサイド・ヘッドロックでコフィを捕獲、先制を仕掛けた。

機動力を身上とする両者だ、ケンドリックはコフィを翻弄しようと、リングを精一杯に活用して素早く動きながら、時折"ちょっと待った"という仕草のフェイントを仕掛けながら攻め立てていく。一方のコフィは動きを封じられながらも、強靭なバネを備えた体から繰り出す、しなやかな攻めで反撃、"ブーン・ブーン"レッグドロップを叩き落としてみせた。

ケンドリックはカバーを返すと、ザ・ケンドリックをかわされながらもキック主体の戦術で積極的にカバーを狙った。が、コフィも足技では誰にも負けないスーパースターだ。ピンフォール争奪となった攻防の間隙を縫うように威力抜群のラウンドキックをケンドリックの側頭部に叩き込んで3カウントを奪取、移籍したてのスーパースターに対する意地を見せただった。

ドタバタ・タッグ・マッチ

2試合目は、8人ものディーバが出場する豪華タッグ・マッチだ。PPVでも大活躍を見せたサンティーナを先頭に、ケリー・ケリー、ブリー・ベラ、ミッキー・ジェームズの4人チームが入場してきた。彼女達の相手は、SmackDownより移籍したディーバズ王者マリース、元女子王者ベス・フェニックスという強力な2人を筆頭にローザとジリアンが加わった4人組だ。

試合開始のゴングが鳴ると、ベスがリング中央に立って先鋒の意思表示を行なった。彼女の視線の先には無邪気にファンへ投げキスをするサンティーナの姿がある。サンティーナは"やめましょう"とでも言いたげな仕草でベスと向き合うが、ベスは容赦なく蹴り、さらに痛烈なスラップを胸板に打ち込んだ。サンティーナは金切り声を上げながら、あわててブリーと交代した。

ベスはブリーを圧倒しながらジリアンと交代、ブリーはジリアンの先制を逃れると、フロアへ下り、さらにリングエプロンをくぐって逃げ隠れてしまった。ローザが追いかけようとすると、2人のベラがエプロンの下から顔を出した。と思いきや、ホーンスワグルまでがヒョッコリと顔を出したではないか!姉妹から頬にキスをもらったホースワグルは、リングの下から飛び出すと、驚き逃げ出したローザを追いかけ始めた。

ベスとマリースがホーンスワグルを追ったが、リングの下に逃げられたかと思えば、いきなり消火器を噴射されてしまった。リング上ではブリーが素早くサンティーナと交代、ロープにもたれるようにフロア上での騒動を見つめていたジリアンに、背後から忍び寄ると、電光石火のスクールボーイで3カウントを奪取、PPVでの即席戦に続いて勝ってしまった。

試合後、サンティーナは入場ステージ側エプロンに立って勝ち誇ってみせたが、下から出てきたホーンスワグルは、めくれ上がったサンティーナのスカートの中と遭遇して卒倒、立ち上がると恐怖のあまり猛スピードでステージへと駆け逃げていったのだった。

マットの主張

マット・ハーディが現れた。昨夜のダメージが相当残っているらしく、右手前腕部はギプスで固められ、リングへ向かう足取りも重そうだ。それ以上に弟との決闘に敗れたショックも大きいのだろう。マットは、リングへ上がると険しい表情を見せながら、弟ハーディが野蛮で血も涙もない冷徹漢だと批判、そのために右手を骨折したのだという。

マット自身、人生において決して闘いをあきらめたことがなかったと強調しながらも、右手を骨折したところでジェフとまともに闘えるはずがないだろうと主張、さらに、今夜はそんな状態で試合出場まで強いられたと怒りをあらわにした。すると、HDタイタントロンに"制作:シャタード・プロダクション、上演:24カラットピクチャーズ"のテロップが浮かび上がるとともに、金色のスポットライトが場内を駆け巡り始めた。ゴールダストだ!

"最も奇妙なスーパースター"ゴールダストが妖艶な入場を済ませると試合開始のゴングが打ち鳴らされた。マットは、素早く追い詰めてくるゴールダストに対してロープに逃れて勝負を避けながら、フラストレーションを与える戦術に出た。ついにはリングを下りてしまうマットにブーイングが飛んでいる。

ゴールダストは、厳しくブレイクを要求してきたレフェリーに詰め寄った。と、その時だった。マットは素早くリングに戻ると、ギプスで固めた、骨折しているはずの右腕でゴールダストに殴りつけてダウンを強制、3カウントを奪ってしまった。マットは思わず手が出てしまったのだろうか、右手をかばいながら退場していった。

オートン対MVP!

4試合目は、今夜の第2メインイベントとなった新WWE王者ランディ・オートン対US王者MVPのシングル・マッチだ。

試合開始のゴングが鳴ると、2人は時計回りに動きながら様子をうかがうとガッチリと組み合いへ突入、オートンがMVPをコーナーへ押し切った。攻防が再開されると、2人は組み合いから左腕の奪い合いを展開しながらカバーを狙っていった。オートンは、均衡する攻防を痛烈な打撃で破ると、MVPチャントを叫ぶファンをにらみつけてみせた。

すると、声援が聞こえたのだろうか、MVPが体勢を立て直すと強力な打撃攻勢による反撃に出た。しかし、オートンはMVPをコーナーへ追い詰めながら、ファンに挑発的な視線を投げかけている。MVPは、オートンに反撃を封じ込まれていたが、コーナーへ飛び込んできたオートンをかわしてみせた。頭からバックルに突っ込んでしまったオートンは、MVPの強烈なキックを浴びてフロアへ転落してしまう。

しかし、オートンはリングへ戻された後にMVPを捕らえ、ロープを使ったDDTを炸裂、形勢逆転に成功してMVPの動きを封じ込めに入った。MVPは、オートンが得意とする背中に抱え込んで落とすネックブリーカーを浴びるなど、反撃を封じ込まれていたが、持ち前のパワーでオートンを抱え上げ、落としてみせた。

両者は直立姿勢を取り戻すと、リング中央でパンチの応酬を開始、王者としてのプライドをぶつけ合った。オートンは素早く体勢を切り替え、ロープの反動を利用して攻め込んだが、MVPはオートンの勢いを巧みに利用して抱え投げてみせると、オートンの反撃を抑えてボーリング・エルボーを炸裂、カバーに入った。

オートンはカバーを返すと、MVPをコーナーへ送って攻め込んだ。MVPは後方へリープしてオートンをかわしたが、MVP自身も叩き込んだキックをかわされ、ロープに突っ込んでしまう。オートンは足からMVPを抱え上げると、気合を込めた絶叫とともにMVPをフロアへ投げ落としてみせた。

オートンがリング中央で体力を取り戻そうとした時だった。なんと、ケンドースティックを手にしたシェイン・マクマホンが乱入、オートンをめった打ちにし始めた!スティックは連打に耐えられず、先端が避けてしまっている。シェインは渾身の一撃をオートンの脳天に叩き込むと、さらにコーナー最上段からダイビングエルボーを炸裂してみせた。

ローズとデビアスがスティールチェアを持ってランプを駆け下りてきたが"時、既に遅し"だ。シェインは凄まじいダッシュ力であっと言う間にスタンド席通路を駆け上がり、1階スタンド席最上部までたどり着くと、マクマホン家とレガシィの抗争がまだ終わっていないことを強烈にアピールした。オートンは、やっとのことで立ち上がると、ベルトを抱きかかえ、い怒りの形相でシェインを見上げている。一方のシェインは、覚悟を決めた男だけが見せられる表情でレガシィの3人を見下ろしたのだった。

ミズ、いきなり大挑戦!?

ECWから移籍を果たしたザ・ミズが現れた。彼は、自身がTV界の象徴で、元世界タッグ王者であり、"セレブ"と親密な関係な立場にあることを強調しながら、WWEスター中最も価値ある1人だとアピールした。彼は、RAWにインパクトを与え、最高のスーパースターになるために、なんとジョン・シナへの挑戦を宣言した。

ミズはレフェリーを呼び出すと、昨夜のPPVメインイベントでビッグショーにサーチライトへと叩き込まれたシナをも呼び出した。すると、シナの入場テーマ曲が流れ始め、爆発的な大歓声が場内を包み込んだ。ところが、シナ本人が現れる気配はない。ミズは"You can't see me. "どころか"I can't see you.(見えねえのは、シナの方だ) "と、主演映画の不振まで皮肉ると、リリアンからマイクを奪って一方的に勝者宣言して退場していった。

シナファンは、一日も早いシナの復帰を願っているはずだ。シナは復帰を果たしたら、まずミズを黙らせてくれるに違いない。

統一タッグ王者組、ベテランチームと激突!

6試合目はsSmackDownから移籍してきたWWE統一タッグ王者組カリート&プリモがジェイミー・ノーブル&チャボ・ゲレロというベテランチームとの対戦に臨んだ。

試合開始のゴングが鳴ると、先鋒のチャボがカリートの腕を奪って先制するが、カリートはパワフルな動きで反撃に成功、交代したプリモとダブル攻撃でチャボをフロアへと駆逐した。たまらずノーブルがリングに入ってくるが、王者組は柔軟な動きで圧倒、ノーブルもフロアへ転がり落ちてしまった。

プリモはノーブルの挑発に乗ったところで背後からチャボに襲われ、さらに交代したノーブルに動きを封じ込められるが、隙を突いてカリートとの交代にこぎつけた。カリートは、パワフルな攻めでノーブルを翻弄、エプロンから援護を試みたチャボも一蹴するとトップロープから跳躍、コーナーポーストを挟んだ隣のセカンドロープに着地すると、そこからさらにスプリングボードから前転攻撃を敢行、場内を沸かせた。

カリートはカバーに入ったものの、チャボが足を引っぱって妨害、するとプリモがリング内を横切り、トペ・スイシーダを敢行、プリモ自身もろともチャボをフェンスへと叩き込んだ。リング上ではノーブルがネックブリーカーを仕掛けようとするも、カリートは素早く体勢を切り替えてバックスタバーを炸裂、3カウントを奪って王者組の実力を見せつけた。

WWE王座No.1コンテンダーズ・マッチ!

メインイベントを前にゲレロGMがステージに現れた。彼女は、オートンによるマクマホン家潰しと今夜のシェイン乱入を考慮した結果、次週RAWのメインイベントでオートン対シェインのシングル・マッチを決定したことを発表した。続いてビッグショーの入場が始まり、今夜のメインイベントの時が訪れた。

GMオフィスではビッキーに今夜のカードを組んでくれたことに感謝しながらも、"これはビジネス"と、愛情表現を拒まれたビッグショーだが、リングに上がるとSmackDown時代に見せてた屈託のない笑みすら見せることなく、シャドウボクシングを始めて集中力を高めている。

重厚なギターサウンドが場内に鳴り響き、大歓声とともにバティスタが現れた。試合直前での取材ではトリプルHの一日も早い回復を祈ると告げた一方、打倒ビッグショーを明言したバティスタ。今夜の勝負を制して仇敵オートンへの挑戦権をつかむか注目だ。

組み合いから試合が始まると、ビッグショーがバティスタを突き放したものの、バティスタは並のレスラーのように吹き飛ばされることなく、しっかりと踏ん張ってみせた。再度組み合いが始まると、ビッグショーはバティスタをコーナーへ押し込んだが、バティスタが放つオーラに臆したのか、そこから巨大な一撃を繰り出すことなくブレイクした。

両者は、打撃を絡めながら相手の動きを抑える戦術を展開、ビッグショーはチョークスラムを、バティスタはバティスタ・ボムを早くも繰り出そうとする。攻防が再開されると、体格とパワーで圧倒するビッグショーがバティスタを追い詰め始めた。バティスタは容赦なく襲ってくる、ビッグショーの巨大な腕そして拳から繰り出されるパンチを体に浴びて崩れてしまった。

バティスタは、立ち上がると渾身の力で反撃を開始、タックルでビッグショーをコーナーまで追い詰めるが凄まじい一撃を背中に叩きこまれ、キャンバスにひれ伏してしまった。ビッグショーは、巨大な体の全体重をかけながらバティスタを踏みつけると、リングを下りてバティスタの体をコーナーポストに当てると、手足を持ち、ポストに自身の足を置いて引っぱり始めた。バティスタは右アバラをポストにめり込ませられながら苦しんでいる。

ビッグショーは、バティスタを抱え投げ落とし、凄まじいまでの打撃を浴びせながら一方的に試合を展開している。バティスタは、ベアハグに捕まりながら、打撃、さらには目を引っかいてようやくビッグショーの攻勢から脱出、コーナーからのカウンターキックから反撃の火ぶたを切って落とすと、クローズラインの連打、さらには反撃をかわしてのスパインバスターを成功させ、ついにビッグショーからダウンを奪った。

バティスタは、ロープを震わせ、ストンプを発してフィニッシュをアピールしている。バティスタが前進した時だった。ビッグショーは巨大な右手でバティスタの喉を捕獲、豪快なチョークスラムでバティスタを沈めてしまった。ビッグショーが、フロアへ落ちたバティスタを追ってリングを下りた、その時だった。

なんと、ステージ上にジョン・シナが現れたのだ!レフェリーが付き添って現れたシナだが、1人で歩けている。シナは、親指で帽子のツバを持ち上げると、改めてビッグショーをにらみつけた。その顔には昨夜エッジと対戦する前での、自信と誇りに満ちた笑みはない。そこにあるのは、史上最高のタイトル戦となるはずだった試合を妨害された、純然たる怒りを押し殺した表情だ。

ビッグショーは、いつになく鋭い視線を突きつけてきたシナに応じるように、ゆっくりとランプを登り始めた。が、彼はレフェリーのカウントが耳に入ったのだろう、今自分が第1挑戦者決定戦でバティスタと闘っていることを思い出し、あわてて振り返り、リングへ滑り込んだ。が、なんとビッグショーは10カウント以内に戻れなかったのだ!

バティスタは、カウントアウト判定のアナウンスで自身の勝利を知りながらも渾身のスピアーでビッグショーを倒壊してみせた。起き上がったビッグショーは凄まじい形相でシナをにらみつけ、吠えまくっている。シナは、帽子を深くかぶり直すと、かえって冷静に見えてしまうほどの、静かなる闘志を秘めた視線でビッグショーを見据えたのだった。

今夜はシナがビッグショーにとって何よりも重要な試合を妨害、大巨人のタイトル挑戦を阻んでみせた。が、シナはまだ自らの手でビッグショーへの復讐を果たしたわけではない。

次週RAW、一体どんな展開が待ち構えているのだろうか!?

[試合結果]

GAME RESULT
1試合目
◎コフィ・キングストン

vs.

×ジ・ブライアン・ケンドリック
2試合目
◎サンティーナ・マレラ&ミッキー・ジェームズ&ケリー・ケリー&ブリー・ベラ

vs.

×マリース&ベス・フェニックス&ローザ・メンデス&ジリアン・ホール
3試合目
◎マット・ハーディ

vs.

×ゴールダスト
4試合目
ノーコンテスト
ランディ・オートンvsMVP(モンテル・ヴォンタビアス・ポーター)
5試合目
シナの試合放棄
◎ザ・ミズ

vs.

×ジョン・シナ
6試合目
◎カリート&プリモ・コロン

vs.

×ジェイミー・ノーブル&チャボ・ゲレロ
7試合目
WWE王座第1挑戦者決定戦、カウントアウト判定
◎バティスタ

vs.

×ビッグショー

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