[#154] ハート・トリロジー、胎動

今週のECWはオハイオ州シンシナティで行われた。リングの上ではジャック・スワガーがスティールチェアに座っている。彼はジャッジメント・デイPPVでの結果がバックラッシュPPVに輪をかけた茶番だったと主張、すると2名のステージから下りてきた。スワガーは、退場を求めるレフェリーの指示に従おうとせず、居座りを決め込んでいる。場内から大きな歓声が上がった。ティファニー暫定GMが現れたのだ。
ティファニーは、スワガーに対してリングから去るように命じるが、スワガーは聞く耳をもたない。それどころか、"ファンは自分を観るために金を払ってチケットを買ってる"と豪語、さらに暫定GMというティファニーの肩書きを嘲笑して命令を聞こうとしない。ティファニーは、ついに"今すぐ立ち去らなければ、今後永久にECW王座への挑戦を認めない"という最後通告を発動、オフィスで直接話し合うことを命じたのだ。
スワガーは渋々チェアから立ち上がるとリングを下りて退場し始めた。ティファニーは、気を取り直したかのような明朗な声でこれから最高のショーを始めると宣言、第1試合のカード、クリスチャン対ポール・バーチル戦の開始をアナウンスした。ステージから華々しく登場したECW王者クリスチャンは、リングへと下るランプでスワガーと遭遇、なんとスワガーは対峙したクリスチャンをランプから突き落として去っていった。
スワガーは、オフィスで改めてティファニーGMに噛みつこうとするが、ティファニーGMはスワガーに今夜のショーから離れて休暇を取れと命令、スワガーは逆らえずに立ち去るしかなかった。
クリスチャン、左膝を痛めての参戦

第1試合が始まった。クリスチャンは、スワガーに突き落とされた際に左膝を痛めてしまったようだが、対するポールは当然のようにクリスチャンの左足を狙って先制を試みた。しかし、クリスチャンは素早くポールの左腕を捕らえて動きを封じに出た。
ポールは、コーナーからの攻撃を試みたクリスチャンに一撃を与えてフロアへ落とすと、左膝からステップに叩き込んでみせた。クリスチャンは、リングに押し戻された後もポールによる徹底した左膝攻めにさらされてしまう。ポールは積極的にカバーを狙いながら、シングルレッグ・ボストンクラブ、左足を抱え上げてのバックスープレックス、フィギュア・フォー・レッグロックなど、多彩な技で攻勢を展開した。
その多彩な攻勢にさらされたクリスチャンだが、コーナーに追い詰められたところからポールを自滅に誘うことに成功、コーナー上からのDDTを成功させて反撃に転じ、リバースDDT、サンセットフリップなどを繰り出して得意の流れに持ち込み、1度目のキル・スイッチこそ阻まれたが、ロープ外側から打ち込むキック、コーナーから飛び込むエルボーを炸裂させると、2度目のキル・スイッチを敢行、見事ポールをキャンバスに叩き込んで3カウントを奪取、勝利でECW王者の健在ぶりをアピールした。
新生ザック、快勝

今夜の2試合目は、陽気なキャラクターに変わったザック・ライダーが、ムエ・タイの達人というアダム・グリーンとのシングル・マッチに臨んだ。試合が始まると、ザックは豪快な動きで先制攻撃を開始、反撃を試みようとするグリーンを手玉にとるかのような攻勢を展開、跳びかかりざまに脚を首にかけて叩き落し、さらに後頭部を膝に押さえつけて自ら後方にパンプをとって弾き飛ばすという個性的な動きでグリーンから3カウントを奪取、圧勝を収めた。
コズロフ、地上最強を宣言

ウラディミア・コズロフが軍服に身を包んでステージに立った。彼は母国語と英語を使い分けながら、自身が最も優れた武闘人間であることを改めて強調した。
ドリーマー、再挑戦が決定
ECW取材担当を務めるグレゴリー・ヘルムズは、ティファニーGMがトミー・ドリーマーからのECW王座挑戦の申し出を受諾したことを伝え、WWE SuperstarsでクリスチャンとのECW王座戦が行われることになったと明らかにした。ドリーマーは、ヘルムズに対して自分には時間がないこと、ラストチャンスとなる王座再挑戦で必ずベルトを手中に収めると、木曜の試合への抱負を語ったのだった。
フィンレー、スミスとシングル勝負

今夜の3試合目は、先週のフィンレー対タイソン・キッド戦に突然乱入し、キッドとハートアタックを炸裂させた、故デイヴィー・ボーイ・スミスの息子、デヴィッド・ハート・スミスがフィンレーとのシングル・マッチでECW公式戦デビューを果たした。
試合開始のゴングが鳴ると、フィンレーはスミスに同伴したキッドそしてナタリヤに警戒しながらスミスとの組み合いに入った。2人はコーナーへの押し合いを展開、スミスは父親譲りの強靭な筋力を備えているようで、フィンレーとの勝負に押し負けしない動きを見せた。
一方のフィンレーはベルファストスタイルとも言うべき、ラフな打撃へとスイッチ、痛烈なアッパーを連発させてスミスから直立姿勢を奪うとストンプや膝を使った打撃で畳みかけに入った。フィンレーは、スミスをフロアへ落とし、リングへ戻ったところで反撃にさらされたが、スミスの左腕を仕留めると、強引にねじ伏せながらカバーを狙った。
フィンレーの猛攻にさらされたスミスだが、フロアへ落とされると迎撃したフィンレーを肩口に担ぎ上げ、フロアマットめがけて豪快なパワースラムを炸裂、形勢逆転に成功した。リング上での攻防が再開されると、スミスはリア・チン・ロックでフィンレーの反撃を封じ込めながら、痛烈な打撃、的確な動きでフィンレーを追い詰めに入った。
フィンレーはフロアへ叩き落とされた後も、スミスの執拗な攻勢に苦しみ、ついにはアブドミナルストレッチで仕留められてしまうが、自力でホールドを外すとスミスをコーナーに押し込んで猛打攻勢を展開、しかしブレイクを命じたレフェリーと言い争った際、スミスに狙われてしまった。
スミスは、執拗なリア・チン・ロックを何度も展開しながらフィンレーをキャンバスにねじ伏せてカバーを狙っていった。フィンレーは、自力で直立姿勢を取り戻すと、カウンター攻撃を成功させて反撃を展開、強力な攻勢をかけてスミスをフロアへ駆逐した。
フィンレーは追撃に出てキッドをリングへ押し戻したが、ナタリヤの痛烈な一撃を浴びてしまい、意識がもうろうとする中でキッドの襲撃をかわしたものの、リングへ戻ったところで背後からキッドに足を掴まれてしまう。
レフェリーがキッドに注意を与えた時だった。その背後でスミスはナタリヤから差し出されたブーツのヒールでフィンレーの頭部を殴打、スミスはフィンレーを豪快なスープレックスに仕留めると3カウントを奪取、強豪フィンレーから勝利を収めてみせた。
台頭する若手スーパースター達と奮闘するベテラン勢。新旧スーパースターの攻防が楽しめるのは現在のECWならではだ!
[試合結果]
| GAME | RESULT |
|---|---|
| 1試合目 ノンタイトル・マッチ |
◎クリスチャン vs. ×ポール・バーチル |
| 2試合目 |
◎ザック・ライダー vs. ×アダム・グリーン |
| 3試合目 |
◎デヴィッド・ハート・スミス vs. ×フィンレー |


